グローバリズム分科会
この分科会の問題意識は、グローバリズムの副作用が続出している今日の世界情勢に触発されたものです。
グローバル化によって経済的に皆が豊かになり、言語と国境の壁がなくなる、との期待が国際社会にはありました。
しかし最近は、むしろ国の際に壁を立ち上げ、自国を保護しようとする動きが表れ始めています。
これは、今まで信奉されてきたグローバリズムがその効果を失ってきたことを示しており、私たちはこれまでのグローバリズムを見直す必要に迫られています。
日本はこの状況下でよりグローバル化するべきなのでしょうか?
まずはグローバリズムについて政治経済的に理解し、日中両国におけるグローバリズムを考えることでお互いの社会を知り、その在り方を議論していきます。
しかし、グローバリズムの影響は政治・経済に止まりません。
アメリカニゼーションに象徴されるような文化の一方的な進出・画一化、伝統的な価値観との対立によるアノミー現象など、グローバリズムは個人の価値観やアイデンティティーにまで影響を及ぼしうる身近なものと言えるでしょう。
こういったトピックについて、理論的な枠組みからスタートし、日中間という文脈、さらには個人の経験にも引き付け、政治・経済・文化といった様々な側面から議論する予定です。
「グローバル人材」・「グローバル化」といったスローガンは日本社会の中で頻繁に耳にするものです。
そんな今日において、そもそも「グローバル」とは何を意味するのか、一度立ち止まり、
自分の中で、そして中国のトップ大学生達と共に徹底的に見つめ直してみるのはいかがでしょうか。
グローバリズム分科会議長 尹美来